「保険、後でいいや」が続いていませんか

独立したばかりのころ、やることが山積みで保険の見直しは後回し——そういう経験をした方は、フリーランスの間でとても多いです。
「いまは健康だし、しばらくは大丈夫だろう」と思っているうちに1年が過ぎ、気づけば個人事業主として保険に入っていなくて後悔した、という状況に陥っていたというケースは珍しくありません。
個人事業主が保険を後回しにしやすい典型的な状況

保険の整備が遅れやすいタイミングは、大きく3つあります。
ひとつは独立直後です。会社員時代は会社が手続きをしてくれていたので、保険のことをほとんど意識せずに済んでいました。独立すると国民健康保険への切り替えや生命保険の見直しが自分ごとになりますが、開業届や確定申告の準備に追われて、保険まで手が回らないことが多いです。
もうひとつは収入が増えた時期です。仕事が軌道に乗り始めると「もう少し稼いでから考えよう」という気持ちが生まれます。収入が増えるほど、現状を変えることへの心理的ハードルも上がっていきます。
そして繁忙期も要注意です。案件が立て込んでいるときに限って「今じゃない」と感じてしまい、繁忙期が終わっても次の繁忙期が来て、気づけばずっと先送りが続く——という話をよく聞きます。
なぜ後回しにしてしまうのか、その心理的な背景

保険を後回しにしやすい理由は、「今のところ問題が起きていない」という事実が心理的な安心材料になってしまうからです。
リスクは目に見えないうちは、なかなか実感が湧きません。病気やケガも、起きるまでは自分ごとに感じにくいものです。
また、保険の種類や仕組みが複雑で、「調べ始めると時間がかかりそう」という感覚も先送りを後押しします。比較検討が面倒なため、「いつかまとめて考えよう」で終わってしまうのです。
さらに、フリーランスは収入の波があるため、「固定費を増やしたくない」という節約意識が働くこともあります。保険料を「無駄なコスト」と感じてしまいやすい環境でもあります。
入金までの期間が長く、資金繰りが不安になりやすい方へ。請求書を最短即日で現金化できる仕組みもあります。
保険に入っていなくて後悔した、その後に起きやすいこと

保険の整備が遅れたまま過ごしていると、実際にどんな場面で困るのでしょうか。相談の中でたびたび出てくるパターンとして、以下のようなものがあります。
病気・ケガで仕事を休んだとき、会社員であれば傷病手当金が最長1年6か月受け取れますが、個人事業主にはその制度がありません。収入がゼロになっても、生活費や国民健康保険料・国民年金保険料は容赦なくかかり続けます。
貯金で乗り切ろうとしたが、思ったより早く底をついた——という後悔の声は少なくありません。
また、廃業や事業の大幅縮小が必要になったとき、退職金に相当するものが何もないと気づくケースもあります。会社員が当たり前のように持っている「やめるときのお金」が、個人事業主には自分で準備しない限り存在しません。
生命保険についても、独立後に見直しをせずにいると、必要な保障額と実際の契約内容がずれたままになっていることがあります。家族がいる場合は特に、この「ずれ」が後々の大きな後悔につながることがあります。
同じ後悔を防ぐために、今日からできること

難しく考えすぎず、まず現状を把握することから始められます。
確認したいのは、大きく3つの領域です。①就業不能リスク(病気・ケガで働けなくなったとき)、②万が一のときの遺族への保障、③廃業・引退時のまとまったお金です。
①については、フリーランス向けの就業不能保険や所得補償保険が選択肢になります。月ごとの保険料と、もし数か月収入がゼロになったときの生活費を比べてみると、入っておく意味が具体的にイメージしやすくなります。
③については、個人事業主向けの退職金積み立て制度を活用している方も増えています。節税効果もあるため、保険と並行して検討する価値があります。
「全部まとめて整理しよう」と思うと動けなくなるので、まず1つの領域だけ情報収集する、という進め方が続けやすいです。
すでに保険が手薄な状態にある方へ

「もっと早く動いていれば」と感じている方もいると思います。ただ、保険の整備が遅れることは、フリーランスの間では本当によくあることで、あなただけが特別に判断を誤ったわけではありません。
保険は、加入するタイミングが遅くなるほど保険料が上がりやすい面はありますが、今この時点で動き始めることに意味がないわけではありません。
現在の収入・支出・貯金残高を改めて整理した上で、「万が一のとき、何か月分の生活費が手元にあれば乗り切れるか」を考えてみると、どの保障をどれくらいの規模で準備すればよいか、具体的なイメージが持ちやすくなります。
ファイナンシャルプランナーへの相談を活用するのも一つの手です。保険会社に属さない独立系FPであれば、特定の商品に偏らずに現状を整理してもらいやすいといわれています。
今すぐ完璧な状態にしなくても大丈夫です。小さな一歩から、自分の保障を少しずつ整えていけます。
よくある質問
Q. 個人事業主は国民健康保険に入っていれば、ほかの保険は不要ですか?
A. 国民健康保険は医療費の自己負担を軽減してくれますが、病気やケガで働けなくなった期間の収入はカバーしてくれません。会社員の傷病手当金に相当する制度が個人事業主にはないため、収入が途絶えたときの備えとして、就業不能保険や所得補償保険を別途検討する方が少なくありません。
Q. 保険の見直しは、何歳までに済ませておくべきですか?
A. 「この年齢までに」という明確な期限があるわけではありませんが、一般的に年齢が上がるにつれて保険料が高くなりやすく、健康状態によっては加入できない保険が出てくることもあります。「いつかやろう」と思っている方は、早めに現状を確認しておくと選択肢が広がりやすいです。
Q. 収入が安定していないうちは、保険料を払う余裕がありません。どうすればいいですか?
A. 収入が不安定な時期は、まず「最低限の保障をシンプルな保険でカバーする」という考え方が取り入れやすいです。掛け捨て型の保険は保険料を抑えやすく、収入が安定してきた段階で内容を見直すという進め方をしている方も多くいます。まず相談だけでもしてみると、自分に合った規模感がわかりやすくなります。
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