フリーランスなら知っておきたい節税と資産形成を両立する方法

制度解説

フリーランスが節税と資産形成を両立できる理由

節税制度を調べるフリーランス

フリーランス・個人事業主として働くうえで、節税と資産形成を同時に進められる制度があることは、意外と知られていません。

会社員であれば、厚生年金・退職金・企業型DCといった仕組みが勤務先を通じて半ば自動的に整備されています。一方、フリーランスにはそれらがなく、自分で手を打たなければ、稼いだお金がそのまま税金と社会保険料に消えていく構造になりやすいのです。

だからこそ、節税効果のある制度を資産形成と組み合わせて使うことが、フリーランスにとって特に意味を持ちます。以下では、代表的な選択肢をひとつずつ整理していきます。

会社員との違いから見るフリーランスの制度上の弱点

会社員との制度の違いを比較する様子

会社員が加入する厚生年金は、保険料を勤務先と本人が半分ずつ負担する仕組みです。フリーランスが加入する国民年金は全額自己負担で、受け取れる年金額も厚生年金より少なくなります。

退職金も同様です。会社員には退職時にまとまった資金が入る仕組みがありますが、フリーランスには原則として存在しません。この「老後の収入格差」を埋めるための手段を、現役のうちに自分で用意しておく必要があります。

さらに、有給休暇もなければ、病気で仕事を休んだ際の傷病手当金も、フリーランスには支給されません。収入の波があるなかで将来に備えるのは、構造的に難しいのが現実です。

節税しながら積み立てられるiDeCoの活用

iDeCoの掛金を計算するフリーランス

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月の掛金が全額所得控除になる制度です。フリーランスの場合、2026年時点では月額上限68,000円まで拠出できます(国民年金基金との合算上限)。

実際に検討する方からよく聞かれる質問として、「節税になるとは聞くけど、どのくらい違うのか」というものがあります。課税所得が高いほど所得税・住民税の節税効果は大きくなりますが、将来の受給額は運用成果によって変わるため、特定の利回りを前提にした試算は慎重に扱う必要があります。詳しい試算は税理士や金融機関の窓口に相談することをおすすめします。

なお、iDeCoで運用する商品は定期預金や投資信託などから選びます。投資信託を選んだ場合は価格変動があり、元本を下回る可能性がある点は必ず理解しておきましょう。

一方、注意点もあります。原則として60歳になるまで引き出せないため、手元の流動性が下がります。また、加入後に掛金を変更できるのは年1回のみ(2024年以降は毎月変更可に改正)なので、収入が不安定なフリーランスは無理のない金額から始めることを検討する価値があります。

ペイトナー ファクタリング

退職金代わりになる小規模企業共済のしくみ

小規模企業共済を検討するフリーランス

小規模企業共済は、フリーランス・個人事業主のために設けられた「自分で作る退職金」とも言われる制度です。毎月の掛金(月1,000円〜70,000円)が全額所得控除になる点で、iDeCoと同様の節税効果があります。

廃業・死亡・65歳以上での任意解約などの際に共済金を受け取れます。受け取り方によって「退職所得」や「公的年金等の雑所得」として扱われ、税負担が軽くなる場合があります。ただし個別の税務判断は専門家に確認することをおすすめします。

注意が必要なのは、加入から20年未満に任意解約した場合、受け取れる金額が掛金の合計を下回ることです。短期での解約を想定しているなら、加入は慎重に検討してください。また掛金の増減は一定のルールに従い変更できますが、払込停止が続くと不利になる場合があります。

NISAは節税よりも「非課税での資産形成」のための制度

NISAで資産形成を考えるフリーランス

NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益や配当が非課税になる制度です。iDeCoや小規模企業共済のような所得控除の効果はありませんが、運用益に税金がかからないため、長期の資産形成には向いています。

会社員も同じ条件で使える制度ですが、厚生年金や退職金で老後の土台が整っている会社員と、自分で全て準備しなければならないフリーランスとでは、NISAへの依存度が自然と高まります。

ただし、NISAで購入できるのも投資信託や株式など価格変動のある商品です。元本割れのリスクがある点を念頭に置いたうえで、長期・分散・積立という考え方を軸に利用することが一般的です。

どんなフリーランスに向いているか、慎重に考えたい人は誰か

ファイナンシャルプランナーに相談する場面

これらの制度が特に向いているのは、一定の収入が継続的に見込めるフリーランスです。iDeCoも小規模企業共済も「長く続けること」が前提の制度なので、収入が安定してきたタイミングで始めることを検討する価値があります。

一方、収入がまだ安定していない時期や、近い将来まとまった出費が見込まれる場合は、資金が長期間拘束されるiDeCoや小規模企業共済よりも、流動性の高いNISAから入る選択肢も考えられます。

また、課税所得がほとんどない場合、所得控除の恩恵は薄くなります。節税効果を重視するなら、まず自分の課税所得の水準を把握することが出発点になります。

制度を検討する際の次の一歩

次の一歩に向けて情報収集するフリーランス

iDeCoの詳細は国民年金基金連合会の公式サイト、小規模企業共済は中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)の公式サイトで制度内容を確認できます。NISAについては金融庁の公式サイトが基本的な情報をまとめています。

具体的な節税額の試算や、どの制度を優先すべきかといった個別の判断には、税理士やファイナンシャルプランナー(FP)への相談が参考になります。無料相談を提供しているFP事務所や、商工会議所が運営する経営相談窓口も選択肢のひとつです。

節税と資産形成を両立する制度は複数あり、それぞれに特徴と注意点があります。自分の収入状況や将来の計画に合った組み合わせを探すために、まず公式情報から調べてみることが、次の一歩として考える価値のある行動です。

よくある質問

Q. iDeCoと小規模企業共済、どちらを先に始めるべきですか?

A. どちらを優先すべきかは収入水準や資金の流動性ニーズによって異なります。一般的には、廃業時の共済金という出口が明確な小規模企業共済を先に検討するケースもあれば、掛金の柔軟性を重視してiDeCoから始める方もいます。どちらが自分に合うかは、税理士やFPに相談しながら判断することをおすすめします。

Q. 収入が不安定でも、これらの制度に加入できますか?

A. iDeCoも小規模企業共済も、収入が不安定な時期でも加入自体は可能です。ただし、どちらも長期間にわたって掛金を払い続けることを前提とした制度です。途中で払込を止めたり解約したりすると不利になる場合があるため、無理なく継続できる金額から始めることを検討する価値があります。

Q. NISAは節税にならないと聞きましたが、フリーランスでも使う意味はありますか?

A. NISAには所得控除の効果はありませんが、運用で得た利益や配当が非課税になるため、長期的な資産形成には有効な制度です。厚生年金や退職金がないフリーランスにとって、老後の資産を積み上げる手段として活用を検討する価値があります。ただし投資信託や株式は価格変動があり、元本割れのリスクもある点は理解しておきましょう。

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