「売上はそこそこあるのに、なぜかお金が残らない」

フリーランスや個人事業主として働いていると、ある日ふと「自分の手取りって、実際いくらなんだろう」と気になることがあります。
売上から経費を引いて、さらに所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金を引いて……と計算してみると、思っていたより手元に残る金額が少なくて、静かにショックを受けた、という声をよく聞きます。
そして頭をよぎるのが、会社員との差です。同じくらいの収入だと思っていた元同僚や友人と比べたとき、社会保険の負担の重さや保障の薄さを改めて実感して、なんとも言えないモヤモヤが生まれる。
そのモヤモヤ、決しておかしくありません。
個人事業主の手取りを計算すると、会社員との差はどこに出るのか

会社員の場合、社会保険料は会社と折半です。つまり、給与明細に載っている天引き額と同じ金額を、会社がこっそり肩代わりしてくれています。
一方、個人事業主は国民健康保険料と国民年金保険料をすべて自分で払います。収入や住む地域によって変わりますが、国民健康保険料は年収が上がるほど重くなる傾向があり、会社員の健康保険と比べてかなりの負担差が生じるケースは少なくありません。
さらに、会社員には厚生年金があります。老後に受け取れる年金額は、国民年金だけの個人事業主と比べると大きな開きが生まれやすく、これが将来への漠然とした不安につながりやすい部分でもあります。
ボーナスがない、有給がない、退職金がない——それに加えて、手取りベースで見たときの差が意外と大きいと感じると、「フリーランスって、思ったより割に合わないのかな」と考えてしまう方もいるようです。
会社員の友人には、なかなか相談できない

こういう不安を誰かに話したいと思っても、会社員の友人や元同僚には相談しにくい、という気持ちはとてもよくわかります。
「心配させたくない」「比べられそう」という気持ちもあるでしょう。それ以上に、「フリーランスを自分で選んだんだから、弱音を吐くのは格好悪い」という思いが邪魔をして、胸の中にしまい込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
自由を選んだはずなのに、その自由の代償について誰にも言えずにいる——そういう孤独感を抱えている方は、決して少なくないと感じています。
しかも、会社員の友人に「社会保険料を全額自分で払ってる」と言っても、ピンとこないことが多いです。制度の仕組み自体が違うので、共感してもらうのが難しいんですよね。
入金までの期間が長く、資金繰りが不安になりやすい方へ。請求書を最短即日で現金化できる仕組みもあります。
頭の中でぐるぐるしてしまう、あの思考パターン

手取りの計算をしてから、こんな考えが頭をぐるぐると回り続けた経験はないでしょうか。
「このまま続けていて、老後は本当に大丈夫なのか」「収入が安定しない月が続いたら、貯金がどんどん削られていくのでは」「もし病気になったら、収入が止まるだけじゃなく、保険料の負担も続くのか」——。
不安は、漠然としているからこそ大きく感じられます。具体的な数字が見えていないうちは、最悪のシナリオばかりが頭に浮かんでしまいがちです。
「会社員に戻った方がいいんじゃないか」という考えが頭をよぎりながらも、でも今の働き方に手応えも感じていて、どっちつかずのまま時間だけが過ぎていく……そんな状態に心当たりのある方もいるかもしれません。
その感覚は、おかしくもなく、弱くもありません。むしろ、ちゃんと現実を見ようとしている証拠だと思います。
まず「見える化」から始めると、少しだけ楽になる

不安が大きいとき、最初にできることは「漠然としたものを数字にしていく」ことです。これは、完璧な計画を立てることとは違います。
たとえば、今年の収入と、実際に払った税金・保険料の合計を書き出してみるだけでも、「自分の手取りは実際いくらなのか」がはっきりしてきます。
知ることは、怖いことではなく、不安を小さくする第一歩です。数字が見えると、「じゃあ、老後のために何ができるか」という具体的な問いに変わっていきます。
個人事業主が使える制度として、たとえばiDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済があります。どちらも掛金が所得控除になるため、節税しながら将来への備えを積み立てられる仕組みです。
小規模企業共済は、廃業時や引退時に受け取る形の積立制度ですが、解約の仕方によって受取額が変わることを知らずに加入している方も少なくないようです。制度の中身を一度確認しておくと、安心感が変わってくるかもしれません。
不安を一人で抱えたまま、次に何を調べればいいか

手取りの計算をして会社員との差を感じたなら、次に調べてみてほしいことがいくつかあります。
ひとつは、国民健康保険料の実際の金額です。収入や住む自治体によって大きく変わるため、自分の場合どれくらいになるのかを確認しておくと、「なぜこんなに引かれるのか」の疑問が解けます。
もうひとつは、老後に受け取れる年金の見込み額です。「ねんきんネット」という日本年金機構のサービスで、現在のペースで保険料を払い続けた場合の受取見込み額を確認できます。知るのが怖い気持ちもわかりますが、見てみると意外と「思ったより少ない」「でも対策できる余地がある」と整理されることも多いようです。
漠然とした不安は、細かく分解すると少しずつ扱いやすくなっていきます。すべてを一気に解決しようとしなくていいんです。
税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)への相談も、敷居が高く感じるかもしれませんが、最近は個人事業主向けの無料相談窓口も増えています。専門家に話してみることで、一人で考えていたときとは違う視点が得られることも多いようです。
あなたの不安は、一人で全部片付けなくていいものです。小さな一歩からで、十分です。
よくある質問
Q. 個人事業主の手取りは、同じ収入の会社員と比べてどのくらい違うのですか?
A. 条件によって大きく変わるため一概には言えませんが、国民健康保険料を全額自己負担している点や、厚生年金がなく国民年金のみである点などから、同じ売上・年収ベースで比べると手取り額に差が出やすい傾向はあります。住む地域や収入の水準によっても変わるため、ご自身の条件で一度具体的に計算してみることをおすすめします。
Q. 個人事業主が老後に向けてできる備えとして、まず何を調べればいいですか?
A. まず「ねんきんネット」で将来の年金見込み額を確認し、現状を把握することが一つの出発点になります。そのうえで、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済といった、掛金が所得控除になる制度の仕組みを調べてみると、節税と将来への備えを同時に考えやすくなるかもしれません。特定の商品を選ぶ前に、FPや税理士に相談してみるのも一つの方法です。
Q. 手取りの計算が合っているか自信がありません。どこかで確認できますか?
A. 確定申告書を作成する際に税務署の窓口で相談したり、青色申告会や商工会議所の相談窓口を利用したりする方法があります。また、個人事業主向けの税理士や、ファイナンシャルプランナーに相談することで、自分の状況に合った収支の整理をサポートしてもらえることもあります。一人で抱え込まず、専門家の目を借りることも選択肢の一つです。
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