赤字で確定申告をやるべきか、そのモヤモヤは当然です

「今年は赤字だったけど、確定申告ってやるべきなんだろうか」。そんな疑問を、年明けになってからひっそり抱えている個人事業主の方は、決して少なくありません。
会社員なら年末調整で自動的に処理されるものが、フリーランスはすべて自分で判断しなければならない。それだけでも十分しんどいのに、赤字という状況が重なると「そもそも申告する意味があるのか」「逆に何か問題になるんじゃないか」と、余計に頭が混乱してしまいますよね。
この記事では、そのモヤモヤした気持ちに正直に向き合いながら、赤字のときの確定申告について一緒に整理していきたいと思います。
「どうせ赤字だから」と申告を後回しにしてしまう心理

赤字になった年の確定申告を後回しにしてしまう気持ち、よく聞きます。「税金が発生しないなら、急いでやる必要もないか」と、どこかで思ってしまう。
でも実は、赤字だからこそ申告する価値がある、というケースが少なくありません。たとえば、純損失の繰越控除という制度があります。これは、今年の赤字を翌年以降(最長3年間)の黒字と相殺できる仕組みで、青色申告をしていることが条件です。
「来年も赤字だったら意味がない」と感じる方もいるかもしれません。でも、事業が軌道に乗り始めた翌年に思いがけず収入が増えたとき、この繰越があるかどうかで税負担が大きく変わることがあります。申告しなかった年の赤字は、繰り越せません。
「今は余裕がないから」と後回しにした選択が、数年後にじわじわ響いてくる。そういうケースを、多くの声として聞いてきた実感があります。
会社員の友人には相談しにくい、この感じ

赤字になったこと、実は誰にも言えていない、という方も多いのではないでしょうか。
会社員の友人に話せば「大丈夫?」と心配をかけてしまう。かといって「確定申告って何をすればいいの?」と聞けば、「そんなことも知らないの?」と思われそうで怖い。フリーランスという選択をした手前、弱音を吐きにくい空気が自分の中にある、という声はとても多いです。
しかも「赤字」という言葉には、どこか「失敗した」というニュアンスがつきまといます。そうじゃないと頭ではわかっていても、誰かに話すことへのハードルが上がってしまう。
税務のことはなおさらです。「確定申告をどうするか」なんて、会社員の友人に相談しても「そういうのよくわからなくて」で終わってしまうことも多い。結果として、一人でネットを検索しては不安になる、という夜を過ごしている方も少なくないように思います。
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赤字の確定申告、やるべきかどうかの整理

まず前提として、所得税の確定申告が義務になるのは、一定の所得がある場合です。事業収入から必要経費を引いた結果が赤字(所得がゼロ以下)であれば、原則として申告の義務はありません。
ただ、「義務がないからやらなくていい」と「やらない方が得」はまったく別の話です。
たとえば、確定申告をしないと、所得がゼロであることが公的に証明されないという問題があります。住宅ローン審査や、保育園の入園審査など、「収入証明」が必要な場面で困ることがあります。また、国民健康保険料の算定にも影響することがあるため、申告することで保険料が軽減されるケースもあります。
国民健康保険の保険料がどう決まるか、気になる方は国民健康保険の仕組みや負担のポイントもあわせて読んでみてください。
赤字でも申告することで受けられるメリットがある一方、状況によっては影響が出る部分もあります。「自分の場合はどうなるか」を一度整理しておくことが、不安を減らす第一歩になります。
「赤字」を前にして、つい考えてしまうこと

赤字という現実を前にすると、確定申告の手続きとは別に、もっと根本的なことを考えてしまう夜があります。
「このまま続けていけるのか」「老後の年金はどうなるんだろう」「会社員に戻った方がいいのか」。そういった問いが、深夜に頭の中をぐるぐるすることもあるかもしれません。
赤字の確定申告をどうするか、という問いは、実は「自分のこれからをどうするか」という不安と地続きになっていることが多いです。だから余計に重く感じてしまう。
それは決しておかしなことではありません。事業が思うようにいかない時期に、お金のことを一人で抱えるのは、想像以上に消耗することです。「弱い」のではなく、それだけ真剣に向き合っている証拠だと思います。
不安を整理するための、小さな一歩

「赤字で確定申告をやるべきか」という問いに対して、まず手をつけやすいのは自分の収支を数字で見える形にすることです。感覚ではなく、実際に何にいくら使って、何が入ってきたかを書き出してみる。
それだけで「なんとなく赤字」が「これくらいの赤字」になり、次に何を調べればいいかが少し見えてきます。
青色申告の承認を受けているかどうか、純損失の繰越控除が使えるかどうか、住民税の申告はどうなるか。こうした点は、税務署の無料相談窓口や、地域の商工会・青色申告会などでも聞ける場合があります。「プロに相談するほどの話でもないかも」と思わずに、まず聞いてみることへの敷居は、想像より低いことが多いです。
一人でネット検索を繰り返して不安が膨らむより、専門家に一度話すだけで「あ、思ったより複雑じゃなかった」と感じるケースも少なくありません。赤字の年の確定申告は、やるべきかどうかを含めて、あなたの状況に合った判断があるはずです。一人で抱え込まず、小さな一歩から動き始めてみてください。
よくある質問
よくある質問
Q. 赤字の個人事業主は確定申告をしなくても問題ないですか?
A. 所得がゼロ以下であれば、所得税の申告義務は原則として生じません。ただし、申告しないと純損失の繰越控除が使えなくなったり、所得証明が取れなかったりと、後から影響が出るケースがあります。「義務がないからしなくていい」と「しない方がいい」は別の話ですので、自分の状況に合わせて判断することをおすすめします。
Q. 青色申告と白色申告では、赤字のときに違いはありますか?
A. 大きな違いのひとつが、純損失の繰越控除です。翌年以降の黒字と赤字を相殺できるこの制度は、青色申告をしていることが条件になります。白色申告の場合は原則として繰越ができないため、来年以降に収入が増える見込みがある方にとっては、青色申告のメリットが大きくなる可能性があります。
Q. 赤字の確定申告を税理士に頼んだ方がいいですか?
A. 赤字の年だからこそ、繰越控除や住民税の扱いなど、確認しておきたいポイントがいくつかあります。税理士への相談は有料になることが多いですが、税務署の無料相談窓口や、地域の青色申告会・商工会などでも話を聞いてもらえる場合があります。「専門家に頼むほどでも…」と思わず、まず相談してみることで不安が整理されることも少なくないようです。
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