「家賃、どこまで経費にしていいんだろう」その迷いは当然です

フリーランスや個人事業主として働いていると、確定申告の季節になるたびに頭を悩ませることのひとつが家賃の経費計上です。
「在宅で仕事しているんだから、家賃を経費にできるはず。でも、いくらまで落としていいのか正直よくわからない」という声は、本当によく聞かれます。
ネットで調べても「按分」「事業使用割合」といった言葉が出てきて、なんとなくわかったような、わからないような。そのまま不安を抱えながら申告している方も、少なくないようです。
個人事業主の家賃経費、いくらまで落とせるかは「使用割合」で決まる

結論からお伝えすると、自宅で仕事をしている個人事業主が家賃を経費にできる金額は、「仕事に使っている部分の割合(按分)」によって決まります。
たとえば、月々の家賃が10万円で、自宅の床面積のうち仕事に使っている部屋が20%だとすれば、経費にできるのは2万円という計算になります。
「では何%なら税務署に認められるの?」という疑問も当然だと思います。実は法律で「〇%まで」という上限が明示されているわけではなく、あくまでも実態に即した割合であることが求められます。
判断の目安として使われることが多いのは、床面積の割合や仕事に使う時間の割合です。たとえばリビングの一角を仕事スペースとして使っているなら、部屋全体の面積に対してデスク周りが占める割合を算出する、という考え方です。
ただし、あまりに実態とかけ離れた割合を申告していると、税務調査の際に指摘を受けるケースもあると聞きます。「できるだけ多く経費にしたい」という気持ちはよくわかりますが、根拠のある数字で申告することが、長い目で見ると自分を守ることにつながります。
「これで合ってるのかな」という不安、一人で抱えていませんか

会社員の友人や元同僚に「家賃の按分ってどうしてる?」と聞いても、ピンとこない顔をされることが多いですよね。
会社員であれば、経費精算は総務や経理が処理してくれます。税金の手続きも年末調整でほぼ完結します。フリーランスが当たり前にこなしていることを、会社員の友人に相談しても「何が困っているのかよくわからない」と感じさせてしまうのは、制度のしくみがそもそも違うからです。
だから、相談しにくい。心配をかけたくない気持ちもあるし、「フリーランスを選んだんだから自分で調べなきゃ」というプレッシャーもある。そうして一人で不安を抱えている方が多いのが実情のようです。
「ちゃんと申告できているか不安」「逆に経費にしすぎて後で怒られたら」「そもそも按分の根拠をどう説明すればいいの」——よく寄せられる悩みとして実感しているのは、こうした不安がひとつひとつは小さくても、重なってくると結構しんどくなってくる、ということです。
入金までの期間が長く、資金繰りが不安になりやすい方へ。請求書を最短即日で現金化できる仕組みもあります。
こんなふうに考えてしまいがちな心理、ありませんか

「家賃の経費、なんとなく30%にしてるけど根拠はない」「去年と同じにしておけばいいか」——そんなふうに、深く考えることを先送りにしてしまうことはないでしょうか。
また逆に、「少なめに申告しておけばとりあえず安全だろう」と過剰に控えめな申告をして、本来手元に残るはずのお金を余分に納税しているケースも、なくはないようです。
経費の計上は「節税のためのテクニック」というよりも、実態に合った正しい申告をするための作業です。多すぎても少なすぎても、どちらもリスクになり得ます。
「正解がわからないまま申告している」という状態は、毎年じわじわとストレスになるものです。その感覚、おかしくないですし、むしろ多くの個人事業主が同じところで立ち止まっています。
按分の根拠を「見える化」するだけで、気持ちが少し楽になる

不安を解消するための小さな一歩として、まず自分の按分の根拠を紙やメモアプリに書き出してみることをおすすめしたいと思います。
たとえばこんなふうに整理してみてください。
・自宅の床面積の合計:〇㎡
・仕事専用スペースの面積:〇㎡
・算出した按分割合:〇%
これだけでも、「なんとなく」から「根拠のある数字」に変わります。税務署に説明を求められたとき、自分自身が納得して答えられる状態にしておくことが大切です。
数字が「見える」状態になると、漠然とした不安が、対処できる問題に変わっていきます。完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。まず現状を把握することから始めてみてください。
また、家賃以外にも光熱費やネット回線代なども同様に按分して経費にできる場合があります。家賃の按分割合を決めることができれば、他の費用にも同じ割合を使いやすくなるため、一度整理しておくと後がスムーズになります。
税理士や専門家への相談も、「弱音」ではなく「賢い選択」です

「税理士に相談するほどのことでもない気がして…」と遠慮してしまう方も多いと思います。でも、按分割合の考え方やその根拠については、税理士に一度確認しておくと安心感がかなり変わります。
スポット相談(単発での相談)を受け付けている税理士も増えていますし、確定申告前の1〜2時間で疑問をまとめて解消できることもあります。
「年間を通じて税理士に依頼するのは費用的にまだ厳しい」という場合でも、地域の商工会議所や税務署の無料相談窓口を使うという選択肢もあります。2026年も確定申告期間中は税務署での無料相談が行われていますので、一度のぞいてみる価値はあると思います。
また、将来のお金の不安とあわせて、節税しながら老後の備えもできる制度を検討している方には、小規模企業共済の掛金の仕組みと変更のタイミングについての記事も参考にしていただけるかもしれません。
一人で全部わかろうとしなくていいんです。わからないことを「わからない」と認めて、次の一歩を踏み出すことが、結果的にいちばん遠回りしない道だと感じます。
まず「自分はどう按分しているか」を書き出すことから
家賃を経費にいくらまで計上できるか、その答えは一律には出せません。でも、「根拠のある割合を自分で説明できる状態にする」というゴールは、誰にでも目指せます。
今すぐ完璧な申告ができなくても大丈夫です。まず自分の按分の根拠を書き出してみる。それだけで、漠然とした不安の輪郭がすこしはっきりしてきます。
お金のことは、不安のまま放っておくと頭の片隅でずっとくすぶり続けます。でも、小さな一歩を踏み出すたびに、少しずつ自分の状況が見えてきます。一人で全部抱え込まず、できるところから整理していきましょう。
よくある質問
Q. 家賃の按分割合は何%が正解ですか?
A. 法律で「何%まで」と決められているわけではなく、あくまでも実態に即した割合であることが求められます。床面積の比率や仕事に使う時間の割合などをもとに、自分で根拠を説明できる数字を算出することが大切とされています。不安な場合は税理士や税務署の相談窓口に確認してみることをおすすめします。
Q. 家賃以外にも按分して経費にできるものはありますか?
A. 電気代・ガス代・水道代などの光熱費や、インターネット回線代なども、仕事に使っている割合に応じて按分し、経費に計上できる場合があります。家賃の按分割合と同じ基準を使うケースが多いようですが、実態に合った割合であることが前提です。
Q. 確定申告で家賃を経費にしていなかった過去の年分は、さかのぼって修正できますか?
A. 原則として、申告内容の誤りや計上漏れは「更正の請求」という手続きによって、一定の期間内であればさかのぼって修正できる場合があります。ただし期限や手続きの要件があるため、詳しくは税務署や税理士に確認されることをおすすめします。
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