フリーランスなら知っておきたい国民年金免除のデメリットと将来の受給額への影響

制度解説

フリーランスが国民年金の保険料を「払えない」と感じるのはなぜか

保険料の重さに悩むフリーランス

会社員であれば、国民年金の保険料は厚生年金保険料の中に組み込まれ、勤務先と労使折半で支払われます。本人が個別に意識して振り込む必要はほぼありません。

一方、フリーランス・個人事業主は国民年金第1号被保険者として、2026年時点で月額16,980円(※制度改正により変更される場合があります)を全額自己負担で毎月納付し続ける必要があります。収入が安定しない時期には、この固定負担が家計に重くのしかかることがあります。

そうした状況のために用意されているのが国民年金の保険料免除・納付猶予制度です。ただし、この制度には将来の受給額を大きく左右するデメリットがあり、使い方を誤ると老後資金の計画が狂う可能性があります。

免除・猶予制度の種類と「誰が対象か」を整理する

市区町村窓口で免除申請を相談する様子

免除制度にはいくつかの種類があり、前年の所得や世帯状況によって適用される区分が異なります。大きく分けると以下のとおりです。

全額免除は、前年所得が一定水準以下の場合に保険料の全額が免除される制度です。一部免除(4分の3免除・半額免除・4分の1免除)は、所得に応じて保険料の一部を支払いながら残りが免除されます。

納付猶予制度は、50歳未満の方を対象に所得が低い場合に保険料の支払いを先送りできる制度です。猶予期間中の保険料は将来の追納によって穴埋めできますが、追納しなければ年金額には反映されません。

申請先は、お住まいの市区町村の窓口または年金事務所です。申請は原則として毎年行う必要があり、自動更新ではない点に注意が必要です。

国民年金免除の最大のデメリット:将来の受給額はどう減るか

スマートフォンで年金受給額を試算する

免除を受けた期間は「年金を受け取る権利(受給資格期間)」にはカウントされますが、老齢基礎年金の受給額の計算では、満額より少なくなります。

具体的には、全額免除を受けた月は、保険料を全額納付した月と比べて受給額への反映が2分の1となります(国庫負担分のみが反映される仕組みのため)。一部免除の場合も、免除された割合に応じて受給額が減少します。

たとえば10年間全額免除を受けた場合、その期間に対応する受給額は満額納付した場合の半分にとどまります。フリーランスはもともと厚生年金がなく、老後の公的年金が国民年金のみという状況ですから、この目減りは会社員以上に深刻な影響を持ちます。

実際に検討する方からよく聞かれる質問として、「免除を受けても年金額はゼロにはならないんですよね?」というものがあります。受給資格期間には算入されるため無年金にはなりませんが、受け取れる金額は確実に減ります。この点は正確に理解しておく価値があります。

ペイトナー ファクタリング

追納すれば取り戻せる?追納の期限と現実的な負担感

追納計画をノートに書き出す様子

免除・猶予を受けた期間の保険料は、10年以内であれば追納することができます。追納すれば受給額への反映が満額納付時と同等になるため、家計が回復した時期に追納を検討する選択肢があります。

ただし、追納額には経過年数に応じた加算(利息相当分)が上乗せされる場合があり、免除を受けてから年数が経つほど支払総額が増える点は見落とされがちです。

また、10年という期限を過ぎると追納の権利自体が失われます。フリーランスとして収入が安定してきたタイミングで追納を忘れていると、その期間の受給額への影響は永続的に残ります。追納を検討する際は早めに年金事務所に確認することをおすすめします。

手続きはいつ・どこで行うのか

免除申請書類に記入するフリーランス

免除申請は、毎年7月から翌年6月を1サイクルとして申請します。申請期限を過ぎると、さかのぼって申請できる期間(最大2年1ヶ月前まで)に制限があります。失業・廃業などによる特例申請は別途の手続きが必要です。

手続き先は以下の2通りです。

・市区町村の国民年金担当窓口:日常的な申請・問い合わせ窓口として機能しています。
・年金事務所:追納の手続きや、過去の納付履歴の確認も行えます。

マイナポータルを通じたオンライン申請が可能な場合もありますが、詳細は日本年金機構の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

免除制度を使いながら将来の受給額を守る考え方

老後資金について専門家に相談する場面

免除制度はあくまで「今の支払いを軽減する仕組み」であり、老後の受給額を守るための制度ではありません。そのため、免除を活用する場合は、並行して別の老後資金の手当てを検討することが現実的です。

フリーランスが利用できる制度としては、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などがあります。これらは国民年金の受給額とは別に老後の資金を積み立てる仕組みであり、免除による年金額の目減りをある程度補う選択肢になりえます。

会社員には厚生年金という「上乗せの年金」が自動的に付いてきますが、フリーランスにはそれがありません。国民年金の免除を使いながらも、自分で老後資金の手当てをしていく必要があるという点が、フリーランスの現実です。

具体的な節税効果や老後シミュレーションについては、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、自身の状況に合った判断がしやすくなります。

次に調べる価値のある情報・相談先

年金情報をパソコンで調べるフリーランス

免除の申請内容や受給見込み額の確認には、日本年金機構の公式サイト(https://www.nenkin.go.jp/)が信頼できる情報源です。「ねんきんネット」に登録すると、自分の納付状況や試算上の受給額を確認できます。

また、近くの年金事務所では、免除申請の要件確認や追納の相談を無料で受け付けています。「自分の場合どの区分に該当するか分からない」という場合も、窓口で状況を伝えれば案内してもらえます。

国民年金の免除制度は、フリーランスの厳しい時期を乗り越えるための選択肢として存在していますが、将来の受給額との関係を正確に理解したうえで活用するかどうかを判断することが、自分の老後を守ることにつながります。iDeCoや小規模企業共済との組み合わせを含めた全体像は、ぜひ次のステップとして調べてみてください。

よくある質問

Q. 国民年金の免除を受けると、将来の受給額はどのくらい減りますか?

A. 全額免除の場合、その期間に対応する受給額は満額納付した場合の2分の1となります(国庫負担分のみが反映されるため)。一部免除の場合は免除された割合に応じて減額されます。正確な試算は「ねんきんネット」や年金事務所で確認できます。

Q. 免除を受けた期間の保険料は、後から払い直せますか?

A. 免除・猶予を受けた期間の保険料は、原則として10年以内であれば追納が可能です。ただし、免除から一定期間が経過すると加算額が上乗せされる場合があります。追納の詳細は年金事務所にご確認ください。

Q. 免除中でもiDeCoには加入できますか?

A. 国民年金の保険料を免除されている期間中は、iDeCoに加入できない場合があります。免除の種類や状況によって異なるため、金融機関や年金事務所に確認することをおすすめします。なお、iDeCoは運用成果によって将来の受取額が変動し、元本を下回る可能性もある点はあらかじめご理解ください。

※本記事はプロモーションを含みます。

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