退職金がないフリーランスの老後、このまま大丈夫?

不安・悩み

退職金がないフリーランスが老後を不安に感じる、その理由

老後への不安を感じながらパソコン画面を見つめるフリーランス

会社員の友人たちは定年を迎えると退職金をもらい、厚生年金で毎月安定した金額を受け取れます。一方、フリーランスはどうでしょうか。その選択肢にはありません。

厚生年金と国民年金では、受給額に大きな差があります。厚生年金の平均的な月額受給が14万円前後だとすると、国民年金は6万円から7万円程度。この月数万円の差が、30年近く続く老後期間ではかなり大きな影響を与えてしまいます。

加えて、フリーランスの収入は波があります。営業が落ち込む月もあれば、好調な月もある。こうした不安定さがあると、「今月は貯蓄を頑張ろう」という計画も崩れやすくなります。

いつから、いくら老後資金を積めばいいのか、その見通しが立ちにくいというのが、フリーランスの老後不安をより漠然とさせてしまう大きな理由です。

会社員の友人に相談できない、その息苦しさ

友人との会話で不安な表情を浮かべている様子

こうした悩みを友人に打ち明けるのは、意外と難しいものです。

フリーランスを自分で選んだ身だからこそ、「退職金がない」という言葉を口に出すたびに、自分の決断を否定しているような後ろめたさを感じることがあります。自由に働きたくてこの道を選んだのに、弱音を吐くのは申し訳ない。そういう複雑な気持ちが頭をよぎるのです。

さらに、会社員の友人に「退職金がもらえないんだよね」と話すと、「え、そういうものなの?大丈夫?」と心配されたり、「だからフリーランスはリスクがある」と比較されたりするのではないか。そんな心配も生まれてきます。

自分の選択に対して同情されることが、なぜか余計に息苦しく感じてしまう——そういう声をよく聞きます。誰にも相談せず、一人でもやもやを抱えたままになってしまうフリーランスは、少なくないのです。

頭の中でぐるぐるしがちな、老後への具体的な心配事

老後資金について頭を悩ませ考え込む個人事業主

静かな夜中、思わず考えてしまう老後のこと。フリーランスの頭には、いろいろなシナリオが浮かびます。

「国民年金だけでは、本当に生活できるのだろうか」という素朴な疑問。「病気で働けなくなったら、その時点でアウトではないか」という急な不安。健康寿命が延びている時代に、80代まで働く体力が続くはずがない。そうした現実的な心配も重なってきます。

さらに厄介なのが、「今は貯蓄する余裕がない」という焦りです。営業が不安定な時期は、貯蓄よりも生活費の確保が優先になります。気づけば30代も後半に差し掛かり、「もう貯める時間が残されていないのでは」という強い不安が襲ってくるのです。

老後資金を後回しにしてしまい、手遅れになるのではないか——その焦燥感は、夜眠れなくなるほど強い場合もあります。

ペイトナー ファクタリング

退職金がない分、フリーランスが使える制度を知っておくと心が少し楽になる

家計管理資料を確認し貯蓄状況を把握しようとしている人

ここで大事な情報があります。フリーランスには、退職金の代わりになるしくみがいくつか用意されているのです。

iDeCo(個人型確定拠出年金)と小規模企業共済が、代表的なものです。これらは自分で積み立てて、老後に受け取るしくみ。会社員の退職金のように勝手に積み立てられるわけではありませんが、税制優遇が手厚く、老後資金づくりの強い味方になりえます。

知らないままにしておくと、単に「退職金がない」という落胆だけが残ります。しかし、こうした制度の名前を知り、どんな仕組みなのかを把握するだけで、不安の輪郭が変わるのです。「何もできない」から「こういう選択肢がある」へ。その心の状態の変化は、思った以上に大きいものです。

ただし、iDeCoについては注意も必要です。60歳までは原則、引き出すことができません。iDeCoの制約について詳しく知ることも、判断するうえでは重要です。

まず自分の「今」を知ることが、老後不安を整理する最初の一歩

パソコンで年金制度について調べている個人事業主

「老後にいくら必要か」を考えるのは、実はまだ早いかもしれません。

その前に、今月の家計がどうなっているのか、貯蓄残高は実際にいくらあるのか。そうした「今」を可視化することから始めてみてください。

スプレッドシートに毎月の収支を記入する。通帳残高を数字で書き出す。そういった地味な作業こそが、漠然とした不安を現実的な「見える化」へと変えていきます。

老後が心配だから、いきなり大きな額を積み立てようとする必要はありません。今月いくら残っているか、来月いくら必要か、そこから始めるほうが、よほど現実的で続けやすいのです。

一人で抱え込まず、次に調べるべきことを整理しておく

専門家に相談し具体的なアドバイスを受けている場面

ここまで読んで、「では次に何をすればいいのか」と思った方も多いでしょう。具体的な調べ先を整理しておきます。

まずはねんきんネットにアクセスして、自分の年金受給見込み額を確認する。これをすることで、「国民年金だけではいくら不足するのか」という具体的な数字が見えてきます。

次に、iDeCoや小規模企業共済の基本情報を集める。これらは金融機関のウェブサイトでも情報が得られます。「自分に合いそうか」を判断するには、ある程度の情報が必要です。

そして、必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの手です。無料相談窓口も各地にありますので、決して難しい決断ではありません。

大事なのは、不安のままで放置しないこと。一人で抱え込む必要はないのです。調べる、知る、相談する。そうした小さな一歩を踏み出すだけでも、老後への向き合い方は確実に変わっていきます。

よくある質問

Q. 今からでも遅くはないですか。既に40代なのですが……

A. 年齢がいくつであれ、今この瞬間から始めることには意味があります。過去に戻ることはできませんが、ここからの積み重ねが老後の心の余裕につながります。完璧を目指さず、自分のペースで少額からでも始められる制度もありますので、専門家に相談しながら無理のない計画を立てることをお勧めします。

Q. iDeCoと小規模企業共済、どちらを選ぶべきですか?

A. どちらが良いかは、ご自身の事業形態や収入状況によって異なります。小規模企業共済は事業所得がある個人事業主向けですが、iDeCoは幅広く利用できます。それぞれメリット・デメリットがあるため、制度の詳細を確認したり、必要に応じてFPや税理士に相談したりして判断することをお勧めします。

Q. 月にいくら貯蓄できれば大丈夫ですか?

A. 理想的な貯蓄額は、老後に必要と考える金額から、受け取る年金額を差し引いた額によって変わります。これは人によって大きく異なるため、まずは自分の家計と年金受給見込み額を把握してから、必要に応じて専門家に相談して逆算するのが現実的です。

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